英単語「Ms.」ミニ解説
1) 基本情報
- 発音:/mɪz/(ミズ)
- 分類:敬称(タイトル。呼び名の前につけることば)
- いちばん基本の意味:女性に使う、結婚しているかどうかを表さない呼び方
- 例)Ms. Taylor(テイラーさん)/Ms Taylor(国や文の決まりによって . がない場合もあります)
2) 関連表現
- Miss(ミス):ふつう未婚の女性に使う伝統的な呼び方(近年は本人の希望や場面に応じて用いられ、「未婚=Miss」とは限りません)
- Mrs.(ミセズ):ふつう既婚の女性に使う伝統的な呼び方
- Mx.(ミックス、発音 /mɪks/):性別や結婚のことを示さない中立的な呼び方
- Mr.(ミスター):男性に使う呼び方
メモ:
- Ms. は「女性にていねいに呼びかけたいけれど、結婚しているか分からない/関係ない時」に便利。
- アメリカ・カナダではふつう Ms. のようにピリオド(.)をつけます。イギリスなどでは Ms のようにつけない書き方も広く使われます。
※カナダは媒体やスタイルガイドにより Ms/Ms. の両表記が見られます。
3) トリビア(授業の小ネタ)
- Miss や Mrs. は “Mistress(ミストレス)” に由来し、Ms. は20世紀に中立的な敬称として定着。 単純な省略形と断定はできません。「Miss」「Mrs.」と同じ家族のことばで、17世紀には語源上の系譜が見られますが、(語源自体は古くにさかのぼります)「Ms.」という肩書きが広く一般化したのは20世紀(とくに1960〜70年代)です。
- 出典:Wikipedia “Ms.” URL:https://en.wikipedia.org/wiki/Ms.
- 発音は「ミズ(/mɪz/)」。「ミス(Miss)」とは音がちがいます。
- 出典:Cambridge Dictionary “Ms” 発音 URL:https://dictionary.cambridge.org/us/pronunciation/english/ms
- ピリオドの有無は国でちがう。アメリカ・カナダでは Ms.、イギリス英語では Ms と書くのがふつうです(※カナダは媒体・スタイルガイドにより揺れがあります)。
- 出典:Wikipedia “Ms.”(表記の注記) URL:https://en.wikipedia.org/wiki/Ms.
- 出典:ProWritingAid(英英スタイルの解説) URL:https://prowritingaid.com/…/Should-I-use-a-period-after-…
- 現代に広まったきっかけ。1901年に新聞で提案され、その後ビジネス文書の世界で便利だとされ、1960~70年代にフェミニズム運動の中で一気に一般化しました。
- 出典:University of Cambridge(研究記事) URL:https://www.cam.ac.uk/research/news/mistress-miss-mrs-or-ms-untangling-the-shifting-history-of-titles
- 出典:Wikipedia “Ms.”(歴史セクション) URL:https://en.wikipedia.org/wiki/Ms.
- 意味のちがい早見表。Ms. は結婚しているか関係なし/Miss は未婚/Mrs. は既婚/Mx. は性別なども示さない。
- 出典:Grammarly ガイド URL:https://www.grammarly.com/blog/commonly-confused-words/ms-mrs-miss-difference/
- 出典:Scribbr ガイド URL:https://www.scribbr.com/effective-communication/ms-mrs-miss/
4) 「ms.」の誤用・つまずき3選(回避のコツ)
- 「Ms. = 未婚」ではない! → 結婚とは関係なく使う表現。迷ったら Ms. を使うと失礼が少ない。
- ピリオドのつけ方。 → アメリカ式は Ms.、イギリス式は Ms が多い。学校の課題では先生の指示に合わせよう。
- 発音を「ミス」と言ってしまう。 → 正しくはミズ(/mɪz/)。Miss(ミス)と区別しよう。
5) Ms. のよくある組み合わせ(コロケーション)
| パターン | 例 | 自作例文 |
|---|---|---|
| Ms. + 姓 | Ms. Johnson / Ms Johnson | Ms. Johnson is our music teacher. |
| Ms. + フルネーム | Ms. Maya Patel(※形式文では通常 Ms. + 姓) | We thanked Ms. Maya Patel for the tour. |
| emailでのあいさつ | Dear Ms. Brown, | Dear Ms. Brown, thank you for your help. |
6) 似た語との使い分け:Ms. / Miss / Mrs. / Mx. / Mr.
- Ms.:女性に使う中立的な敬称(結婚は関係なし)。
- Miss:ふつう未婚の女性に使う伝統的な敬称(近年は本人の希望や場面に応じて用いられ、「未婚=Miss」とは限りません)。
- Mrs.:ふつう既婚の女性に使う伝統的な敬称。
- Mx.:性別や結婚の情報を示さないジェンダー中立の敬称。
- Mr.:男性に使う敬称。
7) 関連語で広げる
- 敬称:Mr./Miss/Mrs./Mx.
- 手紙の書き出し:Dear Ms. ~,/Dear Mr. ~,
- 学校での呼び方:Ms. + 先生の姓(例:Ms. Kim)
8) FAQ
Q. 先生を呼ぶときは「Ms.」と「Miss」どっち?
A. 先生が自分でどちらを好むかに合わせるのが一番です。分からない時はMs.が安全です。
Q. 「Ms.」にピリオドは必要?
A. アメリカ式ではつけることが多く、イギリス式ではつけないことが多いです(どちらも正しい書き方)。
Q. 発音は「ミス」ですか?
A. いいえ、ミズ(/mɪz/)です。Miss(ミス)とは別です。
9) 小テスト(Check!)
- 空所に入る語を選ぼう(Ms. / Miss / Mrs.):
- 「結婚しているか分からない女性に手紙を書く」→ Dear ________ Carter,
- つぎのうち、アメリカ式の書き方はどれ?(a. Ms Brown b. Ms. Brown)
- 発音がちがうのはどれ?(a. Ms. = ミズ b. Miss = ミス)
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答え
- Ms.
Ms. は結婚に関係なく女性に使える敬称。手紙では Dear Ms. + 姓 が定番。
- b
アメリカ式はピリオド
.をつける Ms. が一般的。イギリス式では Ms と書くのがふつう。 - どちらも正しい区別
Ms. はミズ(/mɪz/)、Miss はミスと読み分けます。
